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先に、いちばん大事なことを書きます。
雨漏り修理だけに使える補助金は、ほとんどありません。
「補助金が使えます」と大きく書いてあるページをいくつも見たあとで、この答えはがっかりされるかもしれません。でも先に知っておいたほうが、時間をむだにしません。
そのうち一番確実なのは補助金ではなく、火災保険と、建てた会社の保証です。
この2つを先に確かめてください。補助金を探すのはそのあとです。
なぜ雨漏りの補助金は少ないのか
理由ははっきりしています。
国や役所がお金を出すのは、家が寒くなくなる、地震に強くなる、といった前より良くなる工事です。
雨漏り修理は、漏っていた家を漏らない家に戻すだけなので、この考え方に当てはまりません。
だから「雨漏りを直すので補助金をください」は、基本的に通りません。
ただしその修理を、性能が上がる工事とくっつければ話が変わります。ここが抜け道です。あとでくわしく書きます。
お金を減らせる5つの道
確実な順に並べました。上から順に確かめてください。
| 順 | 方法 | どのくらい期待できるか |
|---|---|---|
| 1 | 火災保険 | ◎ 台風や強風で壊れたのなら、かなりの確率で出ます |
| 2 | 建てた会社の保証 | ◎ 新築から10年以内なら、タダで直してもらえます |
| 3 | 市区町村のリフォーム助成 | △ ある町とない町があります。あれば10万〜20万円ほど |
| 4 | 耐震の工事とセットにする | ○ 古い木造の家なら大きな額が出ることがあります |
| 5 | 災害のときの役所の支援 | △ 大きな災害のときだけ |
ひとつずつ説明します。
1|火災保険。これが一番現実的です
補助金ではありませんが、手元に戻るお金という意味では、これが一番大きくて確実です。
- 家が何年目かは関係ありません。築40年でも出ます
- 期限は3年です。おととしの台風のぶんも、まだ間に合います
- 保険を使っても、保険料は上がりません。車の保険とはちがいます
逆に出ないのは、年数が経って傷んだだけの雨漏りです。まず保険会社に電話して聞いてみてください。聞くだけならタダです。
→ 雨漏りは火災保険で直せる?おりる条件・おりない例・申請の流れ
2|新築から10年以内なら、建てた会社がタダで直します
これを知らない人がとても多いです。知らずに自腹で直してしまう人がいます。
新しく建てた家は、引き渡しから10年間、雨漏りについて建てた会社が責任を持つことになっています。
この間に雨漏りしたら、直すお金は建てた会社が出します。あなたが払う必要はありません。
連絡の仕方
※外壁のひびやすき間が気になる場合は、危ないひびの見分け方をこちらにまとめています。→ 外壁から雨漏りする原因は?ひび割れとすき間の見分け方・費用
※そもそも雨漏りかどうか分からない場合は、先にこちらを。→ 天井のシミは雨漏りか結露か|エアコン水漏れとの見分け方
建てた会社(工務店やハウスメーカー)に電話して、「雨漏りしています。10年の保証の範囲で見てください」と言ってください。
※建てた会社がなくなっている場合でも、保険の仕組みで守られていることがあります。家を買ったときの書類一式の中に「保険」と書かれた紙がないか探してください。分からなければ、住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)に電話すると教えてもらえます。
※10年を過ぎていても、あきらめずに一度連絡してください。会社によっては独自にもっと長い保証を付けていることがあります。
3|住んでいる市区町村の制度を調べる
ここからが、いわゆる補助金の話です。
ある町と、ない町があります
※いつも漏るわけではなく「大雨の日だけ」「風の強い日だけ」なら、原因の場所を絞り込めます。→ 雨が強い日・風が強い日だけ雨漏りする原因は?場所別に見分ける
全国共通の制度ではありません。隣の市にはあるのに自分の市にはない、ということがふつうに起きます。
条件がゆるい自治体なら、雨漏り修理だけでも対象になることがあります。金額はだいたい10万円から20万円ほどです。
調べ方。ここで全部わかります
※ベランダの下の部屋が濡れている場合は、排水口の掃除だけで直ることがあります。→ ベランダ・バルコニーから雨漏り|排水口と防水層が原因、費用も
自分の町に制度があるかどうかは、ひとつのサイトで調べられます。広告のない、公的な団体が作っているサイトです。
https://www.j-reform.com/reform-support/
よくある条件
※濡れているのが窓のまわりなら、結露や水の抜け穴の詰まりかもしれません。→ 窓・サッシから雨漏りする原因は?結露との見分け方と修理費用
| 住んでいること | その町に住んでいて、自分が住む家であること。持ち家が対象で、貸している家は対象外のことが多い |
|---|---|
| 税金を払っていること | 市民税などを滞納していないこと |
| 町内の業者に頼むこと | これが一番多い条件です。その市区町村に登録している業者でないと対象外になります |
| 工事の金額 | 「20万円以上の工事」など、下限が決まっていることがあります |
| 予算がなくなったら終わり | 先着順が多いです。年度の後半だと締め切られていることがあります |
全国対応の会社に頼むと対象外になることがあります。補助金を使いたいなら、先に役所で「どの業者ならいいか」を確認してから業者を決めてください。順番を逆にすると、あとで使えないことが分かります。
地域別に調べたものもあります
次の市区については、雨漏り修理のページの中で制度を調べてまとめてあります。
4|耐震の工事とセットにする
古い木造の家なら、ここが一番大きい金額になります。
屋根の瓦は重いです。重い屋根は地震のときに家を揺らします。だから瓦をやめて軽い屋根材に替える工事は、「地震に強くする工事」として扱われます。
そして屋根を全部やり替えるので、雨漏りも一緒に直ります。
| 対象になる家 | 昭和56年5月31日より前の基準で建てられた木造住宅。2階建て以下であることが条件のことが多いです |
|---|---|
| 対象の工事 | 柱や壁の補強のほか、屋根を軽くするやり替え工事 |
| 金額の例 | 工事費の5分の4、上限115万円という自治体もあります |
| 注意 | 金額も条件も自治体ごとにまったく違います。必ず役所に確認してください |
1981年(昭和56年)6月より前に建った家かどうかです。家を買ったときの書類か、固定資産税の通知書で建築年が分かります。
その年より古ければ、役所の住宅の窓口に「耐震の補助を使って屋根を替えられますか」と聞いてみてください。
※この工事は大がかりで、期間も費用もかかります。今まさに水が落ちている、という状況には向きません。まず雨を止めてもらって、落ち着いてから考える話です。
5|災害で壊れたときは、役所の支援があります
台風や大雨で大きな被害が出たときは、役所の支援が動きます。こちらは補助金とは別の仕組みです。
その入り口になるのが罹災証明書(りさいしょうめいしょ)です。「この家がこれだけ壊れました」と役所が認める紙で、税金を安くしてもらったり、お金を借りたり、支援金をもらったりするときに使います。
もらい方と、火災保険との使い分けはこちらにまとめました。
→ 台風で雨漏りしたら?すぐやること・火災保険・業者を呼ぶ順番
国の制度は、雨漏りだけでは使えません
ここは古い情報が出回っているので、気をつけてください。
今ある国の制度は、断熱の工事が必要です
2026年に国がやっているリフォームの補助は「みらいエコ住宅2026事業」です。リフォームなら1戸あたり上限100万円と大きな額ですが、条件があります。
つまり雨漏りを直すだけでは使えません。断熱の工事を一緒にやる場合にだけ、話が出てきます。
※お風呂・トイレ・洗面所だけの工事では条件を満たしません。
「長期優良住宅化リフォーム」は、2026年度はありません
ここが大事です。
雨漏りの補助金を紹介するページで、よく「長期優良住宅化リフォーム推進事業が使えます」と書かれています。傷んだところを直す工事が対象だったので、雨漏りと相性が良い制度でした。
ですがこの制度の受け付けは終わっていて、2026年度には同じものがありません。上に書いた新しい制度に移りました。
古い記事を見て役所に問い合わせても、「その制度はもうありません」と言われます。時間をむだにしないでください。
いちばん多い失敗。先に工事をしてしまうこと
補助金でいちばん多い失敗が、これです。そして雨漏りの人は、特にやってしまいがちです。
「雨漏りがひどいから先に直して、あとで領収書を持って役所に行こう」
これは通りません。1円も出ません。
しかも「工事を始めた」と見なされる範囲が広いです。
| これも「始めた」とみなされます | 契約書にはんこを押した/材料を注文した/着手金を払った/口約束で頼んだ |
|---|---|
| 正しい順番 | 役所に申し込む → 審査 → 「出します」の通知が届く → 契約 → 工事 → 完了の報告 → 入金 |
でも雨漏りは待てません。どうするか
※放っておくと何がどの順番で起きるのかは、こちらにまとめています。→ 雨漏りを放置するとどうなる?カビ・腐り・シロアリまでの流れ
ここが悩みどころです。通知が届くまで1か月以上かかることもあります。その間も雨は降ります。
- 応急処置だけ先にやってもらう。雨を止めるだけの作業を先に頼み、本格的な工事は通知が来てから。ただし役所に「応急処置を先にしても大丈夫ですか」と必ず確認してください
- 補助金はあきらめて、火災保険に絞る。火災保険は先に直してしまっても、あとから請求できます。写真と見積書と領収書さえ残しておけば大丈夫です
正直に言うと、今まさに水が落ちている人には、2番をおすすめします。10万円の補助金を待つあいだに家の中の木が腐って、修理代が何十万円も上がったら意味がありません。
「補助金が使えます」と来る業者に気をつけてください
※訪問してくる業者の典型的なセリフと、その場での断り方はこちらにまとめています。→ 「屋根が壊れています」と来た業者の断り方|点検商法と8日間
補助金や保険を持ち出して家に来る業者がいます。この手のもめごとは増え続けています。
国民生活センターに寄せられた相談は、2010年度に111件だったものが、2019年度には2,684件になりました。しかも「10月前後の秋の台風シーズンに増える傾向がある」と、はっきり指摘されています。
- 「補助金が使えるので、自己負担なしで直せます」
- 「今なら補助金の枠が残っています。急がないとなくなります」
- 「申請はこちらで全部やります」
訪問されて契約してしまった場合は、契約書を受け取った日から8日間なら、理由なしでやめられます。困ったら消費者ホットライン 188 に電話してください。近くの相談窓口につながります。
どこに頼めばいいか
見てもらうのも、見積もりを出してもらうのも無料です。断ってもお金はかかりません。
| 相談先 | どこまで来てくれるか | 特徴 |
|---|---|---|
| 雨漏り修理救急センター | 関東と近畿 | 会社名・住所・社長の名前・料金を全部出している。火災保険の手続きも手伝ってくれる |
| 雨漏り修理110番 | 日本全国 | 24時間365日受付。ほかが来られない地域はここ |
| 街角雨漏り相談所 | 関東・近畿・東海・岡山・九州 | 相談を受けて、近くの業者につないでくれる形 |
| アメトメ | 関東 | 質問3つに答えるだけで申し込める。電話で話すのが苦手な人向け |
お住まいの市区のページもあります
次の市区は、地元の会社を含めた相談先を市区ごとに調べてまとめています。お住まいの場所があれば、そちらを見てください。
ここに無い地域の方は、上の表から選んでください。雨漏り修理110番は日本全国が受付の対象です。
※市区町村の補助金を使いたい場合は、先に役所で「どの業者なら対象になるか」を確認してください。町内の業者に限る制度が多いためです。
よくある質問
補助金と火災保険は、両方もらえますか
制度によります。両方使える場合もありますし、「保険金が出た分は補助の対象から外す」という決まりの自治体もあります。
申し込むときに「火災保険も請求する予定ですが大丈夫ですか」と役所に必ず伝えてください。黙っていて、あとで分かるとやっかいです。
借りている家(賃貸)ですが使えますか
※借りている家の場合は、連絡の順番も家賃の扱いも変わります。→ 賃貸で雨漏り|大家と管理会社どちらに連絡?家賃は下がるのか
※今まさに困っている場合の手当ては、こちらです。→ 雨漏り応急処置はこの4つ|ブレーカー・バケツ・屋根に上らない
建物を直す補助金は持ち主(大家さん)向けです。借りている人は使えません。
まず管理会社か大家さんに連絡してください。建物を直すのは大家さんの仕事なので、あなたが費用を出す必要はありません。
申し込んでから、お金が入るまでどのくらいですか
制度によりますが、申し込みから通知まで1か月前後、工事のあと報告してから入金まで1〜2か月というのがよくある形です。
つまり工事代はいったん自分で全額払います。あとから戻ってくる形です。手元のお金が必要なので、そこも計算に入れてください。
自分で申し込むのですか、業者がやるのですか
※前に直してもらったのに止まらない、という場合はこちらもご覧ください。→ 雨漏りが直らない理由は?原因不明のときに使う散水調査とは
市区町村の制度は自分で申し込むものがほとんどです。用紙に書いて、見積書と写真をつけて出すだけなので、むずかしくありません。
業者は見積書を作るところまでを手伝ってくれます。「申請は全部こちらでやります」と言う会社には、手数料を取られないか必ず聞いてください。
まとめ
- 新築から10年以内か。そうなら建てた会社に電話。タダで直ります
- 台風や強風のあとに漏り出したか。そうなら火災保険。家の年数は関係ありません
- 自分の市区町村に制度があるか。検索サイトで調べて、役所に電話して確かめる
- 1981年より前に建った木造の家か。そうなら耐震の補助で屋根ごと替えられるかもしれません
- 絶対に、先に工事を始めないこと。役所の通知が来る前に契約すると、1円も出ません
記事の内容に関するお問い合わせは、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
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