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台風や強い風で屋根が壊れて雨漏りしたのなら、火災保険でお金が出ます。年数が経って傷んだだけの雨漏りは、出ません。
この違いだけです。むずかしい話ではありません。
- 家が何年目かは関係ありません。築40年でも、風で壊れたのなら出ます
- 言える期限は3年です。去年の台風のぶんも、まだ間に合います
- 保険を使っても、保険料は上がりません。車の保険とはちがいます
- 照明やコンセントの近くが濡れていたら、その部屋のブレーカーを落とす
- 天井がふくらんでいたら、その真下に立たない
- バケツを置いて、中にタオルを1枚入れる(水がはねません)
- 片づける前に、スマホで写真を撮る。保険のお金はこの写真で決まります
- 屋根には上がらない。雨の日と雨あがりの屋根はすべります
※台風が過ぎたばかりで、今まさに困っているという方は、台風で雨漏りしたら?すぐやること・火災保険・業者を呼ぶ順番を先に読んでください。やる順番をまとめています。
火災保険でお金が出る雨漏りと、出ない雨漏り
火災保険は、火事のときだけの保険ではありません。自然に起きたことで家が壊れたときにも使えます。
お金が出るのは、この3つが原因のとき
| 原因 | よくある例 |
|---|---|
| 強い風 | 台風で瓦が飛んだ。屋根のてっぺんの金属の板がめくれた。雨どいが外れた。物が飛んできて屋根に穴があいた |
| 雪 | 雪の重みで雨どいが曲がった。屋根の一部がつぶれた |
| ひょう | 氷のつぶが降ってきて、屋根や天窓が割れた |
ここが壊れて、そこから水が入ってきた。この形なら、お金が出ます。
多くの保険会社は「もっとも強く吹いた瞬間の風が、秒速20メートル以上」を目安にしています。秒速20メートルは、傘がこわれて、歩くのがつらいくらいの風です。台風ならたいてい超えます。
※これは目安で、保険会社や契約によってちがいます。「うちは20メートルなかったから無理だ」と自分で決めてしまわないでください。判断するのは保険会社です。
お金が出ないのは、こういうとき
※濡れているのが窓のまわりなら、結露や水の抜け穴の詰まりかもしれません。→ 窓・サッシから雨漏りする原因は?結露との見分け方と修理費用
※そもそも雨漏りかどうか分からない場合は、先に見分けてください。→ 天井のシミは雨漏りか結露か|エアコン水漏れとの見分け方
※保険が出ない場合でも、お金を減らす道はまだあります。→ 雨漏り修理に補助金は使える?国・自治体の制度と火災保険の違い
| 出ない理由 | どういうことか |
|---|---|
| 年数が経って傷んだ | 誰のせいでもなく、だんだん古くなって漏り出した。これが一番多い断られ方です |
| 工事が下手だった | 建てたときや前のリフォームのやり方が悪かった。これは工事した会社の責任なので、保険ではありません |
| 掃除をしていなかった | 雨どいが落ち葉で詰まって、あふれた水が入った |
| 地震が原因 | 地震で瓦がずれた場合は、火災保険ではなく地震保険です。別の契約になります |
※風がほとんど吹いていないのに、大雨のときだけ漏ったという場合は、火災保険が出にくくなります。その理由と、それでも出る場合の見分け方は → 大雨・ゲリラ豪雨で雨漏り|線状降水帯が増えた今やる備えと対処
家が何年目かは、関係ありません
※ベランダの下の部屋が濡れている場合は、排水口の掃除だけで直ることがあります。→ ベランダ・バルコニーから雨漏り|排水口と防水層が原因、費用も
※いつも漏るわけではなく「大雨の日だけ」「風の強い日だけ」なら、原因の場所を絞り込めます。→ 雨が強い日・風が強い日だけ雨漏りする原因は?場所別に見分ける
ここを勘違いしている人がとても多いです。
「うちは築35年だから、もう保険なんて無理だろう」と、はじめからあきらめてしまう。これはもったいないです。
築40年の家でも、去年の台風で瓦が飛んだのなら、その瓦のぶんは出ます。
逆に築10年でも、ただ古くなって漏っているだけなら出ません。
自分の家はどっちなのか、5つの質問で分かります
思い出しながら、順番に読んでみてください。
- 漏り出したのは、台風や強い風のあとだった
- 漏り出したのは、大雪のあとだった
- 屋根や雨どいを見て、どこかが飛んでいる・外れている・めくれている
- 近所の家でも、同じころに屋根が壊れていた
- 3年以内に、そういう日があった
ひとつも当てはまらない場合は、年数で傷んだ雨漏りの可能性が高いです。その場合は保険ではなく、自分で修理代を出すことになります。
※当てはまるかどうか自分では分からない、という場合は、そこで止まらないでください。屋根の上は自分では見えません。業者に見てもらえば分かります。あとで説明します。
いくら出るのか。修理代が全部もどるわけではありません
「保険がおりる」と聞くと、修理代がまるまるタダになると思いがちですが、そうとは限りません。
自分で出す分が決められている契約があります
契約によっては、「最初の○万円は自分で出してください」と決まっています。たとえば自分の負担が5万円と決まっていて、修理代が30万円なら、保険から出るのは25万円です。
古い契約は「20万円以上でないと1円も出ない」ことがあります
少し前の火災保険には、こわれた額が20万円を超えないと、まったく出ないという決まりのものがありました。19万円の修理なら0円、21万円なら全額出る、という形です。
今の火災保険は、先に説明した「最初の○万円は自分で出す」という形がほとんどです。どちらなのかは、契約した年によって変わります。
書類が見つからない、見ても分からない。それで構いません。保険会社に電話して「風で壊れた場合の自己負担はいくらですか」と聞けば、その場で教えてくれます。
言える期限は3年です
法律で3年と決まっています。3年を過ぎると、もう言えません。
3年は、いつから数えるのか
※外壁のひびやすき間が気になる場合は、危ないひびの見分け方をこちらにまとめています。→ 外壁から雨漏りする原因は?ひび割れとすき間の見分け方・費用
壊れた日から3年です。雨漏りで気づいた場合は、その雨漏りに気づいた日から数えます。
つまりおととしの台風のぶんも、去年の台風のぶんも、まだ間に合います。「もう終わったことだから」とあきらめないでください。
もう直したあとでも、言えます
※放っておくと何がどの順番で起きるのかは、こちらにまとめています。→ 雨漏りを放置するとどうなる?カビ・腐り・シロアリまでの流れ
※直したのにまた漏ってきた、という場合はこちらです。→ 雨漏りが直らない理由は?原因不明のときに使う散水調査とは
直してしまったあとでも大丈夫です。ただし証拠が要ります。
- 直す前の写真(これが一番大事です)
- 工事の見積書
- 工事代を払った領収書
- いつ、どんな天気の日に壊れたかのメモ
申請のやり方。自分でできます
むずかしそうに見えますが、やることは電話1本と、写真と、見積書だけです。順番に書きます。
「台風で屋根が壊れて雨漏りしています」と言うだけで通じます。
写真の撮り方
※今まさに水が落ちている場合は、先にこちらを見てください。→ 雨漏り応急処置はこの4つ|ブレーカー・バケツ・屋根に上らない
スマホで大丈夫です。多めに撮っておいてください。あとから撮り直せません。
| 撮るもの | コツ |
|---|---|
| 家全体 | 離れて、家の形が分かるように。前後左右から |
| 壊れたところ | 近くで1枚、少し離れて1枚。家のどこなのか分かるように |
| 部屋の中 | 天井のシミ、濡れた床、ぬれた家具 |
| 飛んできた物 | 庭に落ちた瓦や板も撮っておく |
※屋根の上には絶対に上がらないでください。写真のために屋根に上って落ちる事故が毎年起きています。屋根の上は業者に撮ってもらってください。
罹災証明書は、いりません
「罹災証明書(りさいしょうめいしょ)を役所でもらわないといけない」と思っている人がいますが、火災保険には要りません。
あれは役所が出す紙で、税金を安くしてもらったり、義援金をもらったりするときのものです。保険会社は自分たちで調べるので、役所の紙は見ていません。
※まれに保険会社から求められることもあります。そのときだけ役所に行けば間に合います。先回りして取りに行く必要はありません。
「保険を使えばタダで直せます」と来る業者に気をつけてください
ここからが一番大事な話です。
雨漏りして困っている家に、「火災保険を使えば自己負担なしで直せますよ」と電話をかけてきたり、訪ねてきたりする会社があります。この手のもめごとが、いま全国で増えています。
相談は10年で24倍に増えています
※訪問してくる業者の典型的なセリフと、その場での断り方はこちらにまとめています。→ 「屋根が壊れています」と来た業者の断り方|点検商法と8日間
国の相談機関である国民生活センターが、実際の件数を出しています。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2010年度 | 111件 |
| 2014年度 | 663件 |
| 2017年度 | 1,180件 |
| 2018年度 | 1,759件 |
| 2019年度 | 2,684件 |
「勧誘・契約は10月前後の秋の台風シーズンに増える傾向があり、この時期はとくに注意が必要」
つまり今がその時期です。
手数料で3割から4割、持っていかれます
「保険金が出るように手伝います」という会社は、出たお金の中から手数料を取ります。その割合が3割から4割です。国民生活センターの事例では40パーセント取られたものがありました。
100万円出たら、40万円は業者のものになります。手元に残るのは60万円です。それで修理代が足りるかどうか、契約する前に考えてください。
「代わりに申請します」は、そもそもできません
これを知らない人がほとんどです。
お金をもらって代わりに請求する仕事は、弁護士でないとできません。法律でそう決まっています。
だから「めんどうな手続きは全部うちがやります」と言われても、最後に書いて出すのは必ずあなたです。
業者ができるのは、屋根を見て、写真を撮って、見積書を作るところまでです。ここは本当に助かる部分なので、頼んで構いません。
でも「代わりに全部やります」と言う会社は、その時点でおかしいということです。
工事を頼まないと違約金、という契約
国民生活センターには、こんな相談も来ています。
- 保険金は出たが、その業者に工事を頼まなかったら「違約金として保険金の5割を払え」と言われた
- やめたいと言ったら「解約はできない」と言われた
- 「請求できる期限が迫っている」と急かされて、その場で契約させられた
訪問されて契約してしまった場合は、契約書を受け取った日から8日間なら、理由なしでやめられます。すでに工事が始まっていても、まず相談してください。
うその理由で請求すると、詐欺になります
「古くなって漏っているだけだけど、台風のせいにしておきましょう」と持ちかけてくる業者がいます。
これに乗ると、犯罪になるのはあなたです。業者ではありません。請求書に名前を書いて出すのは本人だからです。
保険会社は調査の専門家を出してきます。古い傷か、最近の風で壊れたかは、見れば分かります。絶対に乗らないでください。
では、業者に相談してはいけないのか
そんなことはありません。むしろ業者に見てもらわないと、話が進みません。
理由は2つあります。
風で壊れたのか、古くなって傷んだのか。これは屋根に上がらないと分かりません。自分で上がるのは危ないので、業者に見てもらうしかありません。
2|見積書は、業者しか作れません
保険会社に出す「いくらで直るか」の紙は、工事する会社でないと作れません。これが無いと、申請そのものができません。
つまり「見てもらう」「見積もりをもらう」は正当な流れです。あぶないのは、そこに高い手数料をくっつけてくる会社です。
申し込むときに、この2つだけ聞いてください
申し込むと会社から電話がかかってきます。そのときに聞けば間に合います。その場で聞きそびれても、家に見に来てもらったときで大丈夫です。
「保険金の○割です」と言われたら、その割合をよく聞いてください。3割を超えるなら、いったん持ち帰って構いません。
言葉をにごしたり、「契約書に書いてあります」とだけ言う会社は、やめておいたほうがいいです。
まともな会社なら、この2つはその場で答えてくれます。
どこに頼めばいいか
見てもらうのも、見積もりを出してもらうのも、どこも無料です。断ってもお金はかかりません。
住んでいる場所で選べる相手が変わるので、表にしました。
| 相談先 | どこまで来てくれるか | 特徴 |
|---|---|---|
| 雨漏り修理救急センター | 関東と近畿 | 会社名・住所・社長の名前・料金を全部出している。火災保険の手続きも手伝ってくれる。断っても費用はかからないと自分で書いている |
| 雨漏り修理110番 | 日本全国 | 24時間365日受付。ほかが来られない地域はここ |
| 街角雨漏り相談所 | 関東・近畿・東海・岡山・九州 | 相談を受けて、近くの業者につないでくれる形 |
| アメトメ | 関東 | 質問3つに答えるだけで申し込める。電話で話すのが苦手な人向け |
お住まいの市区のページもあります
次の市区は、地元の会社を含めた相談先を市区ごとに調べてまとめています。お住まいの場所があれば、そちらを見てください。
ここに無い地域の方は、上の表から選んでください。雨漏り修理110番は日本全国が受付の対象です。
※どの会社も、来てもらって見積もりを見てから断れます。1社だけで決めず、2社に見てもらって比べるのがいちばん安全です。
保険会社に断られたときは
「これは年数による傷みなので、お支払いできません」と言われることがあります。そこで終わりにしなくて大丈夫です。
| そんぽADRセンター | 保険会社ともめたときの相談窓口。損害保険協会という団体がやっています。 電話 03-4332-5241(月〜金の9時15分〜17時。祝日と年末年始は休み) |
|---|---|
| 消費者ホットライン | 業者ともめたとき、契約をやめたいとき。 電話 188(近くの消費生活センターにつながります) |
| 住まいるダイヤル | 工事の中身や見積もりが妥当かどうかの相談。建築士が無料で答えてくれます |
※そんぽADRセンターの電話番号は2025年6月30日に変わりました。古い番号(0570で始まるもの)を載せているページがまだありますが、上の番号が今の全国共通の番号です。
よくある質問
保険を使うと、保険料は上がりますか
上がりません。火災保険には、車の保険のような「事故を起こすと等級が下がる」という仕組みがありません。使ったことで自分だけ高くなる、ということはないです。
何回使っても同じです。ここを心配して申請しない人が多いのですが、心配いりません。
築30年ですが、無理ですよね
年数は関係ありません。風で壊れたのなら出ます。あきらめる前に、保険会社に電話してみてください。電話するだけならタダです。
もう直してしまいました
直す前の写真と、見積書と、領収書があれば出せます。3年以内なら間に合います。
借りている家(賃貸)です
※借りている家の場合は、連絡の順番も家賃の扱いも変わります。→ 賃貸で雨漏り|大家と管理会社どちらに連絡?家賃は下がるのか
建物の火災保険に入っているのは大家さんなので、建物の修理は大家さんの保険です。まず管理会社か大家さんに連絡してください。自分で業者を呼ぶ必要はありません。
ただし濡れてしまった自分の家具や家電は、自分が入っている保険(借りる人用の保険)で出ることがあります。そちらは自分で連絡してください。
保険が出るまで待たないと、工事できませんか
待たなくて大丈夫です。先に直してしまっても構いません。写真と見積書と領収書さえ残しておけば、あとから請求できます。
雨漏りは放っておくと中の木が腐って、修理代がどんどん上がります。お金の話より、先に止めるほうが大事です。
まとめ
- 片づける前に写真を撮る(これを忘れると、あとで取り返せません)
- 保険会社に電話する。「台風で屋根が壊れて雨漏りしています」でいい
- 屋根の業者に見てもらって、見積書をもらう。無料です
- 書類に書いて出す。出すのは自分です
- 「手数料は保険金の○割」と言われたら、その場で決めない
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