台風で雨漏りしたら?すぐやること・火災保険・業者を呼ぶ順番

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今、水が落ちているなら、これだけ先にやってください。
  • 照明やコンセントの近くが濡れていたら、その部屋のブレーカーを落とす
  • 天井がふくらんでいたら、その真下に立たない
  • バケツを置いて、中にタオルを1枚入れる(水がはねません)
  • 片づける前に、スマホで写真を撮る
  • 屋根には上がらない。台風のあとの屋根はすべります

台風で雨漏りしたとき、やることは4つだけです。そして順番が決まっています。

この順番でやってください。
  1. 安全を確保する(電気を止める、真下に立たない)
  2. 写真を撮る(片づける前に。あとから撮り直せません)
  3. 業者に申し込む(早いほどいい。理由はあとで説明します)
  4. 保険会社に電話する
3番と4番は、どちらが先でも構いません。ただし1番と2番は必ず先です。

いちばん大事なのは、自分で屋根に上がらないことです。ここから順番に説明します。

目次

屋根には上がらないでください

台風が過ぎると、多くの人が屋根の様子を見に行こうとします。これが一番あぶないです。

台風のあとの屋根は、とくにすべります

雨で濡れているだけではありません。飛んできた葉っぱや砂が屋根に張りついて、そこを踏むと足がすべります。瓦がずれていれば、乗った瞬間に落ちます。

晴れていても同じです。台風の翌日の屋根は、ふだんの屋根とは別物だと思ってください。

はしごと脚立の事故は、5年で162件あります

国の機関(製品評価技術基盤機構)が実際の件数を出しています。

事故の件数5年間(2017年度〜2021年度)で162件
年齢およそ4割が60歳以上
原因半数近くが、使い方をまちがえた・不注意だった
多い作業庭木の手入れと、屋根の修理
この機関が呼びかけているのは、この2つです。
  • はしごの上で作業をしない
  • 脚立のてっぺんに、乗らない・座らない・またがらない
年をとると足腰の力が落ちて、体のバランスが取りにくくなります。同じ落ち方をしても、若い人よりケガが重くなります。

雨漏りを止めようとして落ちて、入院することになったら、元も子もありません。屋根の上は、業者に見てもらってください。

ブルーシートも、自分で張らないでください

「とりあえずブルーシートをかけておこう」と考える人は多いです。気持ちは分かりますが、おすすめしません。

理由は2つあります。

1|張るために屋根に上がることになります
シートを広げて、押さえて、固定する。この作業は屋根の上でしかできません。ただ見に行くより、ずっと長く屋根の上にいることになります。

2|張り方が甘いと、次の風で飛びます
2019年に千葉県が台風でひどい被害を受けたとき、その次に来た台風で、張ってあったブルーシートが大量に飛びました。飛んだシートは近所の家や道路に落ちます。
自分の家が直らないどころか、人にケガをさせてしまうことがあります。

業者に頼めば、飛ばないように土のうなどで押さえて、きちんと張ってくれます。その状態なら1か月から3か月はもちます。費用は家の大きさによりますが、数万円くらいが目安です。

※大きな災害のときは、市区町村がブルーシートを無料で配ることがあります。ただし配るだけで、張ってはくれません。結局その先で業者が必要になります。

写真は、片づける前に撮ってください

※家の中でできる手当ての手順は、こちらにまとめています。→ 雨漏り応急処置はこの4つ|ブレーカー・バケツ・屋根に上らない

これを忘れる人がとても多いです。あとから取り返せません。

片づけてしまったあとで「保険を出してもらおう」と思っても、被害があった証拠が残っていません。濡れた畳を捨てたあと、壊れた瓦を片づけたあとでは、遅いのです。

撮るものコツ
家全体離れて、家の形が分かるように。前後左右から
壊れたところ近くで1枚、少し離れて1枚。家のどこなのか分かるように
部屋の中天井のシミ、濡れた床、ぬれた家具や家電
飛んできた物庭に落ちた瓦や板、割れたガラスも撮っておく
水の深さ床が水につかったなら、柱についた水の跡を撮る。メジャーを当てるとなおよい
この写真は、2つのことに使えます。
  • 火災保険のお金を出してもらうため
  • 役所の支援を受けるため(あとで説明します)
だから多めに撮っておいてください。スマホで十分です。

※写真を撮るために屋根に上がらないでください。屋根の上は業者に撮ってもらえます。地上から見える範囲だけで構いません。

台風のあと、業者はすぐには来ません

これを先に知っておいてください。知らないと、あとでとても困ります。

台風が通ったあと、同じ地域の家が一斉に壊れます。その全部が、同じ日に業者へ電話をかけます。屋根を直せる職人の数は決まっているので、足りなくなります。

2019年の千葉では、1年以上かかった家があります

作り話ではありません。実際に起きたことです。

2019年9月台風が千葉県を直撃。7万4,900棟を超える住宅が壊れた
その後屋根の職人が足りず、順番待ちになった
半年後2020年3月になっても、ブルーシートをかぶったままの屋根が目立っていた
最も長い家1年以上、ブルーシートのまま暮らした家があった

その間ずっと、雨のたびに家の中に水が入ります。木が腐って、修理代はどんどん上がっていきます。

では、どうすればいいのか

※ベランダの下の部屋が濡れている場合は、排水口の掃除だけで直ることがあります。→ ベランダ・バルコニーから雨漏り|排水口と防水層が原因、費用も

やることは3つです。
  1. とにかく早く申し込む。順番待ちの列は、早い人から進みます。「保険が出てから」と待っていると、列の後ろになります
  2. 1社だけでなく、2社か3社に声をかける。1社が来られなくても、別の会社が来られます
  3. 「まず雨を止めるだけ」を先に頼む。本格的な工事はあとでいいので、水が入るのを止めてもらうだけ先にやってもらいます

見てもらうのも、見積もりをもらうのも無料です。断ってもお金はかかりません。まず連絡だけしておいて、順番を取っておくのが賢いやり方です。

お金の話。台風の雨漏りは火災保険が使えます

台風で壊れた雨漏りは、火災保険でお金が出ます。火事のときだけの保険ではありません。

覚えておくことは3つだけです。
  • 家が何年目かは関係ありません。築40年でも、風で壊れたのなら出ます
  • 期限は3年です。おととしの台風のぶんも、まだ間に合います
  • 保険を使っても、保険料は上がりません。車の保険とはちがいます

台風なら、まず出ると思っていい

※いつも漏るわけではなく「大雨の日だけ」「風の強い日だけ」なら、原因の場所を絞り込めます。→ 雨が強い日・風が強い日だけ雨漏りする原因は?場所別に見分ける

火災保険は「風で壊れた」場合にお金を出します。台風はまさにそれです。

逆に出ないのは、年数が経って傷んだだけの雨漏りです。台風のあとに漏り出したのなら、その心配はあまりありません。

全額もどるとは限りません

※濡れているのが窓のまわりなら、結露や水の抜け穴の詰まりかもしれません。→ 窓・サッシから雨漏りする原因は?結露との見分け方と修理費用

※雨漏りかどうか自信がない場合は、こちらで見分けられます。→ 天井のシミは雨漏りか結露か|エアコン水漏れとの見分け方

契約によっては「最初の○万円は自分で出してください」と決まっています。自分の負担が5万円で修理代が30万円なら、保険から出るのは25万円です。

いくらなのかは、保険会社に電話して「風で壊れた場合の自己負担はいくらですか」と聞けば、その場で教えてくれます。

申請のやり方、おりない例、手数料を取る業者の見分け方は、別のページにくわしくまとめました。

→ 雨漏りは火災保険で直せる?おりる条件・おりない例・申請の流れ

役所の支援もあります。こちらは罹災証明書が要ります

ここは保険とは別の話です。混ざりやすいので分けて書きます。

火災保険役所の支援
お金を出すのは保険会社国や市区町村
罹災証明書いりません要ります
何に使えるか修理代税金を安くする、お金を借りる、支援金をもらう
誰でも使えるか保険に入っていれば使える被害が大きい災害のときだけ

両方もらえます。どちらか一方を選ぶ必要はありません。

罹災証明書のもらい方

※役所の支援や市区町村の補助については、こちらにまとめています。→ 雨漏り修理に補助金は使える?国・自治体の制度と火災保険の違い

罹災証明書(りさいしょうめいしょ)は、「この家がこれだけ壊れました」と役所が認める紙です。

1|写真を用意する さっき撮った被害の写真です。これがそのまま使えます。
2|市区町村の窓口に出す 「罹災証明書がほしい」と言えば通じます。役所によってはインターネットでも申し込めます。
3|役所の人が見に来る 壊れ具合を見て、どのくらいの被害かを決めます。

※借りている家に住んでいる人でも申し込めます。持ち家の人だけのものではありません。

台風のあとに来る業者に、気をつけてください

台風のあとは、頼んでいないのに訪ねてくる業者が増えます。

国の相談機関である国民生活センターは、「勧誘や契約は10月前後の秋の台風シーズンに増える傾向があり、この時期はとくに注意が必要」とはっきり書いています。

よくある声のかけ方

※訪問してくる業者の典型的なセリフと、その場での断り方はこちらにまとめています。→ 「屋根が壊れています」と来た業者の断り方|点検商法と8日間

  • 「近所で工事をしているので、挨拶に来ました」
  • 「屋根がずれているのが見えました。無料で点検します」
  • 「火災保険を使えば、自己負担なしで直せますよ」
  • 「保険を請求できる期限が迫っています」(うそです。期限は3年あります)

相談件数は増え続けています。国民生活センターの数字では、2010年度に111件だったものが、2019年度には2,684件になりました。

知らない業者を屋根に上げないでください

※外壁のひびやすき間が気になる場合は、危ないひびの見分け方をこちらにまとめています。→ 外壁から雨漏りする原因は?ひび割れとすき間の見分け方・費用

点検すると言って屋根に上がり、そこで屋根を壊されたという相談も寄せられています。

見せられた「壊れた屋根の写真」が、本当に自分の家のものか、いつ撮ったものか。こちらには確かめようがありません。

断り方は「今は結構です」だけで十分です

理由を説明する必要はありません。話を聞くほど断りにくくなります。玄関先で終わらせてください。

本当に屋根が心配なら、その業者ではなく、自分で選んだ会社に見てもらってください。

もう契約してしまった場合
訪問販売で契約したのなら、契約書を受け取った日から8日間は、理由なしでやめられます。工事が終わったあとでもやめられる場合があります。
契約書、もらった資料、見せられた写真は捨てずに残して、消費者ホットライン 188 に相談してください。近くの相談窓口につながります。

次の台風が来る前に、やっておくこと

台風は毎年来ます。9月は、台風が日本に上陸する数がいちばん多い月です。10月も雨が多い月です。

やることなぜ
雨どいの落ち葉を取る詰まると水があふれて、そこから中に入ります。これだけで防げる雨漏りがあります
庭の物を片づける植木鉢や物干し竿が飛んで、自分の家の屋根や窓を割ります
保険の書類の場所を確認いざというとき「どこにしまったか分からない」で時間を失います
今のうちに家の写真を撮る壊れる前の状態が残っていると、あとで「これは台風で壊れた」と示しやすくなります

屋根に上がって確かめる必要はありません。地上から見て、瓦がずれていないか、雨どいが外れていないかを見るだけで十分です。

※風はなかったのに、大雨のときだけ漏ったという場合は、原因も対処も、保険の扱いも変わります。→ 大雨・ゲリラ豪雨で雨漏り|線状降水帯が増えた今やる備えと対処

どこに頼めばいいか

住んでいる場所で、来てくれる会社が変わります。どこも、見てもらうのも見積もりも無料です。

相談先どこまで来てくれるか特徴
雨漏り修理救急センター関東と近畿会社名・住所・社長の名前・料金を全部出している。火災保険の手続きも手伝ってくれる。断っても費用はかからないと自分で書いている
雨漏り修理110番日本全国24時間365日受付。ほかが来られない地域はここ
街角雨漏り相談所関東・近畿・東海・岡山・九州相談を受けて、近くの業者につないでくれる形
アメトメ関東質問3つに答えるだけで申し込める。電話で話すのが苦手な人向け

お住まいの地域のページもあります

次の地域は、地元の会社を含めた相談先を地域ごとに調べてまとめています。お住まいの場所があれば、そちらを見てください。

東京都練馬区/世田谷区/足立区
埼玉県川口市
千葉県千葉市/船橋市/松戸市/浦安市/佐倉市/市原市/茂原市/四街道市
神奈川県横浜市/川崎市/相模原市
福岡県福岡県全域(福岡市・北九州市ほか)

ここに無い地域の方は、上の表から選んでください。雨漏り修理110番は日本全国が受付の対象です。

※台風のあとは混み合います。1社だけで待たず、2社に声をかけておいてください。早く来てくれたほうに頼めばいいだけです。

よくある質問

保険のお金が出るまで、工事を待ったほうがいいですか

待たなくていいです。先に直して構いません。写真と見積書と領収書を残しておけば、あとから請求できます。

むしろ待つほうが危ないです。順番待ちの列が伸びますし、その間も雨で家が傷みます。

雨漏りしていませんが、瓦が飛んでいました

※放っておくと何がどの順番で起きるのかは、こちらにまとめています。→ 雨漏りを放置するとどうなる?カビ・腐り・シロアリまでの流れ

※一度直してもらったのにまた漏る場合は、原因の探し方から変える必要があります。→ 雨漏りが直らない理由は?原因不明のときに使う散水調査とは

それでも見てもらってください。瓦が飛んだ場所から、すぐには漏りません。下の防水シートがまだ生きているからです。

でもそのシートは何年ももちません。放っておくと、数か月後や1年後に漏り出します。そのときには中の木が傷んでいて、修理代が上がります。

借りている家(賃貸)です

※借りている家の場合は、連絡の順番も家賃の扱いも変わります。→ 賃貸で雨漏り|大家と管理会社どちらに連絡?家賃は下がるのか

まず管理会社か大家さんに連絡してください。建物を直すのは大家さんの仕事なので、自分で業者を呼ぶ必要はありません。

ただし濡れた自分の家具や家電は、自分が入っている保険で出ることがあります。そちらは自分で連絡してください。

今は雨がやんでいます。急がなくていいですか

急いでください。理由は2つです。

1つは、業者の順番待ちが日に日に伸びるからです。もう1つは、次の雨がいつ降るか分からないからです。9月と10月は雨が多い時期です。

まとめ

この順番でやれば大丈夫です。
  1. 電気を止める。真下に立たない。まず身の安全
  2. 片づける前に写真を撮る。保険にも役所の支援にも使えます
  3. 屋根に上がらない。ブルーシートも自分で張らない
  4. 業者に早く申し込む。2社に声をかけておく
  5. 保険会社に電話する。「台風で屋根が壊れて雨漏りしています」でいい
  6. 訪ねてきた業者とは、その場で契約しない
期限は3年。家の年数は関係なし。保険料は上がりません。
出典:製品評価技術基盤機構(NITE)「『はしご・脚立』の誤使用は大ケガにつながります」/国民生活センター「『保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる』と勧誘されてもすぐに契約しないようにしましょう!」/内閣府 令和元年台風第15号 災害対応/気象庁 台風の平年値

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