大雨・ゲリラ豪雨で雨漏り|線状降水帯が増えた今やる備えと対処

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ふだんの雨では平気なのに、大雨のときだけ雨漏りする。これには、はっきりした理由があります。

家が壊れているのではなく、水の量が多すぎて、家がさばききれなくなっているのです。

先に3つ、知っておいてください。
  • 掃除だけで直ることがあります。雨どいや排水口が詰まっているだけ、という家は多いです
  • ただし火災保険は出にくいです。風で壊れていないからです。ここは正直に書きます
  • 放っておくと、ふつうの雨でも漏るようになります。そうなると修理代が上がります
今、水が落ちているなら、これだけ先にやってください。
  • 照明やコンセントの近くが濡れていたら、その部屋のブレーカーを落とす
  • 天井がふくらんでいたら、その真下に立たない
  • バケツを置いて、中にタオルを1枚入れる(水がはねません)
  • どこから落ちてきているか、写真か動画を撮る
  • 屋根には上がらない。雨の日の屋根はすべります
目次

大雨のときだけ漏るのは、なぜか

※今まさに水が落ちているなら、先にこちらを見てください。→ 雨漏り応急処置はこの4つ|ブレーカー・バケツ・屋根に上らない

家には、雨水を受けて流す道が作ってあります。屋根で受けて、雨どいに集めて、地面に流す。この道には「1分間にこのくらいまでなら流せる」という限度があります。

ふつうの雨なら余裕があります。でも短い時間にどっと降ると、その道からあふれます。あふれた水は、本来通らないところを通って、家の中に入ってきます。

疑うのは、この5か所です

※ベランダの下の部屋が濡れている場合は、排水口の掃除だけで直ることがあります。→ ベランダ・バルコニーから雨漏り|排水口と防水層が原因、費用も

※天井にシミがあるだけで水は落ちていない、という場合はこちらです。→ 天井のシミは雨漏りか結露か|エアコン水漏れとの見分け方

場所何が起きているか漏る場所の目安
雨どい落ち葉や土で詰まり、水があふれる。あふれた水が外壁を直接ぬらす壁ぎわ、窓の上
屋根の谷屋根と屋根がV字に合わさる所。家の中で一番水が集まる場所。そこの金属板がさびて穴があくと、水の量が増えたときだけ落ちる部屋の天井の真ん中あたり
ベランダの排水口泥や落ち葉が詰まり、ベランダがプールのようになる。床の防水の縁を越えると、一気に下の部屋へベランダの下の部屋
窓・サッシサッシの下にある小さな水抜きの穴が詰まる。行き場のない水が室内側にあふれる窓の下、カーテンの裾
外壁のひび・すき間ふだんは表面を流れ落ちるだけの水が、量が増えると、すき間に押し込まれる壁ぎわ、コンセントのまわり
ここが大事です。
5か所のうち3か所(雨どい・ベランダの排水口・窓の水抜き穴)は、詰まりが原因のことが多いです。
つまり掃除をすれば直ることがあります。工事をする前に、まずここを見てください。

自分で確かめられるのは、この3つです

※濡れているのが窓のまわりなら、結露や水の抜け穴の詰まりかもしれません。→ 窓・サッシから雨漏りする原因は?結露との見分け方と修理費用

屋根の上には上がらないでください。地面に立ったまま、またはベランダに立ったままで確かめられるものだけ書きます。

1|雨どいを、下から見上げる 雨の日に見るのが一番分かります。雨どいの途中から水がこぼれていたら、その先が詰まっています。
晴れた日なら、雨どいから草が生えていないか、落ち葉が見えていないかを見てください。
2|ベランダの排水口を見る ベランダの隅にある水の抜け口です。ふたを外して、泥や落ち葉が詰まっていたら取り除いてください。
ここは自分で掃除できます。手袋をして、ゴミを取り出すだけです。
3|窓のサッシの、下のみぞを見る 窓を開けて、下のレールの部分を見てください。両端のあたりに小さな穴があります。これが水を外に逃がす穴です。
砂やホコリで詰まっていたら、掃除機か、細い棒で取ってください。これだけで直る雨漏りがあります。
やってはいけないこと
  • 屋根に上がる(谷の部分は屋根の真ん中なので、上がらないと見えません。これは業者の仕事です)
  • はしごに登って雨どいを掃除する(はしごと脚立の事故は5年で162件あり、そのおよそ4割が60歳以上です)
  • 雨の日に外に出て確かめる(見るのは窓の中からにしてください)

3つとも掃除して、それでも大雨のときに漏るなら、屋根の谷か、外壁のすき間です。ここからは業者に見てもらうしかありません。

大雨は、本当に増えています

※いつも漏るわけではなく「大雨の日だけ」「風の強い日だけ」なら、原因の場所を絞り込めます。→ 雨が強い日・風が強い日だけ雨漏りする原因は?場所別に見分ける

「昔はこんなことなかったのに」と感じているなら、それは気のせいではありません。気象庁が数字で出しています。

どのくらいの雨か増え方
3時間に150ミリ以上1976年〜1985年は年におよそ19回 → 2013年〜2022年は年におよそ34回(1.8倍)
1時間に100ミリ以上2.0倍
1日に400ミリ以上1.9倍

1時間に100ミリの雨というのは、バケツをひっくり返したような雨が、1時間続くという意味です。それが40年前の2倍起きています。

だから「今まで平気だった家」が漏り始めます。
家を建てたときの雨どいは、そのころの雨に合わせて選ばれています。家は何も悪くなっていないのに、降る雨のほうが変わってしまったのです。
「うちは築浅だから大丈夫」が通用しなくなっているのは、これが理由です。

線状降水帯とは、何なのか

※外壁のひびやすき間が気になる場合は、危ないひびの見分け方をこちらにまとめています。→ 外壁から雨漏りする原因は?ひび割れとすき間の見分け方・費用

ニュースでよく聞く言葉ですが、むずかしく考えなくて大丈夫です。

雨雲が次々と生まれて、一列に並び、同じ場所の上を通り続ける状態のことです。
ふつうの雨雲は通り過ぎれば終わります。でもこれは、後ろから新しい雨雲が来て、同じ場所に何時間も強い雨を降らせ続けます。
だから「ひとつの市だけ川があふれた」というような、せまい場所に集中した被害が起きます。

出やすい地域があります

気象庁が発表した回数を、都道府県ごとに数えたものです(2023年5月から2025年12月までの合計)。

都道府県回数
鹿児島12回
静岡8回
福岡8回
宮崎7回
熊本6回

九州と、太平洋側に集まっています。海から湿った空気がまっすぐ入ってくる地形だからです。

この期間に1回も出ていない県もあります。宮城、群馬、埼玉、新潟、福井、山梨、長野、岐阜、滋賀、京都、大阪、広島の12府県です。

※ただし「出ていないから安心」ではありません。線状降水帯にならなくても、短時間の激しい雨はどこでも降ります。雨漏りするのに線状降水帯である必要はありません。

予測が3段階になりました

※訪問してくる業者の典型的なセリフと、その場での断り方はこちらにまとめています。→ 「屋根が壊れています」と来た業者の断り方|点検商法と8日間

気象庁が出す情報は、今は3段階です。

半日前予測2022年6月から。「このあと線状降水帯になるかもしれません」と、半日ほど前に知らせる
直前予測2026年5月から。もっと差し迫った段階で知らせる
発生情報実際に発生したときに出る

半日前予測が出たら、雨どいと排水口を見てください。それが一番現実的な使い方です。天気予報を見て備えられる時間が、半日はあるということです。

※半日前予測が出ても、必ず線状降水帯になるわけではありません。空振りもあります。

お金の話。大雨の雨漏りは、保険が出にくいです

ここは正直に書きます。期待して読み進めた方には、残念な話になります。

火災保険は「風で壊れた」ときに出ます

台風で瓦が飛んだ、雨どいが外れた。こういう「壊れた」があると、火災保険が使えます。

ところが大雨の雨漏りは、どこも壊れていないことが多いのです。雨どいが詰まっていた、排水口にゴミがたまっていた、というのは「掃除をしていなかった」と見られます。

出にくいのは、こういうときです。
  • 風はほとんど吹いていなかった
  • 雨どいや排水口の詰まりが原因だった
  • 年数が経って、すき間ができていた

ただし、出ることもあります

あきらめる前に、ひとつ思い出してください。

その大雨より前に、台風や強い風の日はありませんでしたか。
そのときに屋根のどこかが壊れていて、今回の大雨で、そこから水が入った。この形なら、もとの原因は風です。火災保険の対象になります。
期限は3年あります。おととしの台風でも間に合います。

屋根のどこが壊れているかは、自分では見えません。業者に見てもらって、「風で壊れた跡かどうか」を判断してもらってください。

火災保険の条件や申請のやり方は、別のページにくわしくまとめました。

→ 雨漏りは火災保険で直せる?おりる条件・おりない例・申請の流れ

床が水につかった場合は、また別の話です

※保険が使えない場合の、そのほかのお金の減らし方はこちらです。→ 雨漏り修理に補助金は使える?国・自治体の制度と火災保険の違い

雨漏りではなく、外から水が入ってきて床がつかった場合は、火災保険の中の別の補償(水災)になります。

対象になる目安次のどれかに当てはまれば対象になることがあります
・床より上まで水が来た
・地面から45センチを超える高さまで水が来た
・建物の値段の30パーセント以上の損害が出た
注意この補償が付いていない契約があります。保険料を下げるために外している場合があるので、保険証券を確認してください

※「床下しか水が来ていないから無理だ」と決めつけないでください。地面から45センチを超えていれば、床下に見えても対象になることがあります。柱についた水の跡を写真に撮っておいてください。

次の大雨が来る前に、やっておくこと

これが一番効きます。お金もほとんどかかりません。

やることいつなぜ
ベランダの排水口のゴミを取る月に1回ここが詰まると、ベランダの下の部屋に一気に入ります
窓のサッシの水抜き穴を掃除する年に2回砂がたまるだけで、窓の下から水が入ります
雨どいの掃除を業者に頼む年に1回(秋がおすすめ)落ち葉が落ちきったあとにやると、冬から春までもちます。自分ではしごに登らないでください
天気予報を見る大雨の予報が出たとき線状降水帯の半日前予測が出たら、その日のうちに排水口を見る

雨どいの掃除は、屋根の点検とまとめて頼むと安く済むことが多いです。見てもらうだけなら無料の会社がほとんどなので、一度見てもらうところから始めてください。

どこに頼めばいいか

大雨はどこでも降ります。住んでいる場所で、来てくれる会社が変わります。

相談先どこまで来てくれるか特徴
雨漏り修理110番日本全国24時間365日受付。九州や四国など、ほかが来られない地域はここ
雨漏り修理救急センター関東と近畿会社名・住所・社長の名前・料金を全部出している。火災保険の手続きも手伝ってくれる
街角雨漏り相談所関東・近畿・東海・岡山・九州相談を受けて、近くの業者につないでくれる形
アメトメ関東質問3つに答えるだけで申し込める。電話で話すのが苦手な人向け

お住まいの地域のページもあります

次の地域は、地元の会社を含めた相談先を地域ごとに調べてまとめています。お住まいの場所があれば、そちらを見てください。

東京都練馬区/世田谷区/足立区
埼玉県川口市
千葉県千葉市/船橋市/松戸市/浦安市/佐倉市/市原市/茂原市/四街道市
神奈川県横浜市/川崎市/相模原市
福岡県福岡県全域(福岡市・北九州市ほか)

ここに無い地域の方は、上の表から選んでください。雨漏り修理110番は日本全国が受付の対象です。

※雨の多い九州や四国は、上の表のうち雨漏り修理110番だけが対応している地域があります。まずここに聞いてみてください。

よくある質問

雨がやんだら止まりました。放っておいていいですか

※放っておくと何がどの順番で起きるのかは、こちらにまとめています。→ 雨漏りを放置するとどうなる?カビ・腐り・シロアリまでの流れ

だめです。止まったのは雨がやんだからで、入り口はふさがっていません。

大雨のたびに水が入り続けると、中の木がだんだん腐ります。やがて、ふつうの雨でも漏るようになります。そこまで進むと、修理は屋根の張り替えになり、金額が一気に上がります。

築5年です。まだ新しいのになぜ漏るのですか

※借りている家の場合は、連絡の順番も家賃の扱いも変わります。→ 賃貸で雨漏り|大家と管理会社どちらに連絡?家賃は下がるのか

新しい家でも漏ります。理由は2つです。

1つは雨の降り方が変わったからです。さきほどの気象庁の数字のとおりです。もう1つは建てたときの工事のやり方に問題があった場合です。

後者なら建てた会社に無料で直してもらえる可能性があります。新築から10年以内は、雨漏りについて建てた会社が責任を持つと法律で決まっています。まず建てた会社に連絡してください。

雨どいの掃除は自分でできますか

やめてください。はしごに登ることになります。

はしごと脚立の事故は5年で162件あり、そのおよそ4割が60歳以上です。年をとると、同じ落ち方でもケガが重くなります。数万円をけちって入院しては意味がありません。

大雨のときだけなので、業者に笑われませんか

※すでに一度直してもらったのに止まらない場合はこちらです。→ 雨漏りが直らない理由は?原因不明のときに使う散水調査とは

笑われません。「大雨のときだけ」は、業者にとって大事な手がかりです。

いつ漏るかによって、疑う場所が変わります。「大雨のときだけです」「風が強い日だけです」と伝えるだけで、原因を探す時間が短くなります。遠慮せずに言ってください。

まとめ

この順番でやってください。
  1. ベランダの排水口と、窓の水抜き穴を掃除する(これで直ることがあります)
  2. 雨の日に、雨どいから水がこぼれていないか下から見る
  3. それでも漏るなら業者に見てもらう。屋根の谷か外壁です
  4. 「大雨のときだけ漏ります」と伝える。原因を探す大きな手がかりになります
  5. その前に台風の日があったなら、火災保険が使えるかもしれません
屋根には上がらない。はしごにも登らない。ここだけは守ってください。

台風の直後で困っている方は、こちらもあわせて読んでください。

→ 台風で雨漏りしたら?すぐやること・火災保険・業者を呼ぶ順番

出典:気象庁「大雨の発生回数の長期変化」/気象庁「線状降水帯に関する情報」/製品評価技術基盤機構(NITE)「『はしご・脚立』の誤使用は大ケガにつながります」/住宅の品質確保の促進等に関する法律

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